4万8000RTでニュースにもなったツイートはどう生まれているのか?
バズを生む老舗和菓子屋・金精軒のTwitter担当・小野允大さん

個人ではもちろん、企業での利用もすっかり定着したSNS。でも、使いこなして結果につなげるのはなかなか難しいツールです。

そんなSNSでたびたび話題を呼んでいるお店が山梨県にもあります。北杜市、そしてお隣の韮崎市にお店をかまえる和菓子屋、金精軒さんです。

金精軒さんは明治35年(1902年)創業。信玄餅などのお菓子で知られる北杜市エリアの老舗で、最近では夏季限定の「水信玄餅」でも有名なお店です。

そんな金精軒さんが2016年に始めたTwitterは、話題になるツイートを数多く投稿しており、ニュースでもたびたび取り上げられています。現在では2万8000人ものフォロワーを獲得している人気アカウントなんです。

話題のツイートを連発しているTwitterの中の人は、現在韮崎店の店長を務めている小野允大さん。金精軒の4代目社長である小野光一さんの息子さんです。

今回は小野允大さんにTwitterとどんなふうに向き合っているかを伺いました。話を聞いてみると、実はTwitterの意味は宣伝だけじゃないというお話も。

どこよりも徹底的にお客さんのことを考えるゲーム業界

——今回は、実は前々からお話をうかがってみたかったんで、ぜひにということでお願いさせていただきました。小野さんはご実家が金精軒なんですよね。

はい。でも、戻ってきたのは9年前、30歳の時です。それまでは東京で働いていました。

金精軒韮崎店店長兼広報担当の小野允大さん。

——東京ではどんなお仕事をされてたんですか?

主に携帯用ゲーム機のゲームソフトの開発をやっていました。10年ほどやっていたんですけど、ゲーム業界は基本的にユーザーさんのことを考えるところで、特に自分が参加させていただいたゲームに携わる皆さんは徹底的に拘っている方々ばかりでした。画面の中で起こることはすべてお客さん、つまりプレイヤーさんを楽しませるためにつくられていて、それをどこまでも追求していく。たとえば、音楽はプレイしている人の気持ちを盛り上げるためのものですし、敵を倒したときにピカピカッと光ったりするのは気持ちいいと感じてもらうため。キャラクターのデザインなんかも全部そうなんです。どちらを向いているのかわかりやすくなるように顔のデザインがつくられていたり。すべてのことが「プレイヤーを楽しませる」というところに集約されている。もちろんサービス業やものづくりの仕事ってみんなそうあるべきだと思うんですが、実際には「こういう仕様だから」とかお客さんのためではない理由で決まってしまうこともあるじゃないですか。

——いろんな理由で目的が「お客さん」から離れていってしまうというのは、起こりがちですよね。

働いてみて、ゲーム業界ほど「お客さんのため」を徹底している業界はないんじゃないかと思うようになりました。しいていうなら予算と人手というのがハードルで、そこさえ問題なければ、お客さんのために何でも変えていける。だから、実際に仕事をしてみると「ゲームをつくる力」より「お客さんのことを考える力」の方がはるかに重要なんです。僕が携わっていたのは、大人も楽しむけど、メインターゲットは小学生くらいのお子さんというゲームで、自分とはまったくつながりのない世代でした。だから、いつもその人たちのことを一生懸命考えていたんです。学校が「終わって家に帰ってきたら4時くらいだよな。でも、すぐにゲームしたら怒られるから、一応宿題をやったというテイで6時くらいまで過ごして、それから夕飯ができるまで30分くらいがゲームの時間かな。だとすると、ひとつのステージはこれくらいの時間でできるのがいいかな」とか「おやつを食べながら遊ぶかもしれない。じゃあ、途中でポーズ(一時停止)するだろうから……」とか、そんなことを毎日考えていました。

ゲームづくりも和菓子づくりも本質は同じ

——面白いですね。でも、どうして実家に戻ってこようと思ったんですか?

そうやってゲームの仕事をやっていくうちに、「なんだ、ゲームも和菓子も変わらないじゃん」って思うようになったんです。お菓子も結局すべてお客さんのためじゃないですか。味はもちろんおいしいと思ってもらうため。パッケージはどうやったら持ち運びやすいかを考えてつくるし、デザインが素敵だったらもっとおいしいと感じてもらえるんじゃないかと考えてつくる。器はどんなものがいいだろう、何人で食べるんだろう、いつ、どんな場面で食べるんだろう。ひとりで食べるお菓子と、たとえばみんなでお祝いの席で食べるお菓子ではやっぱり違うじゃないですか。音楽なんかもそうですけど、同じ曲、同じ演奏でも、CDで聴くのと生で聴くのは違う。コンサートホールと野外ステージでも違う。誰と聴くかでも体験としては別のものになる。そうやって考えていくと、ゲームも音楽も和菓子もみんな本質的には同じだなって思ったんです。子どものころからゲームが好きだったからゲームの仕事に就いたんですが、自分がやりたかったのは「ゲームづくり」じゃなくて、「ゲームで誰かを楽しませること」だったんですね。だったら、ゲームでなくてもいいのかな、実家でお客さんを笑顔にするのでもいいんじゃないかって思えたんです。

——なるほど。

ちょうどゲーム業界の忙しさにちょっと疲れてきてもいたんです(笑)。何しろどこまでも自由に、「お客さんのため」を追求できるじゃないですか。2時間やったら2時間分いいものになったりするのがゲームなんです。そうすると、どうしてもみんな突き詰めちゃう。みんなゲームが好きですからね。妥協できない。それをずっと続けていくとなると、終わりのないマラソンみたいな気持ちになったんです。それで、違う形でやろうと。父も快く「戻ってくるならそれならそれで歓迎するよ」と言ってくれて、30歳の時に戻ってきました。

允大さんが店長を務める金精軒韮崎店。2018年秋に店舗がリニューアルしたばかりです。

——戻ってきてからはどんなことをやられているんですか?

まずはやっぱりお菓子づくりのことを知らないと話にならないということで、3年くらい製造のことを学ばせてもらいました。実際におまんじゅうを包んだりもしましたね。そのあと、韮崎の店舗に来ました。当時韮崎店はお客さんが少なくて、何とか盛り上げないとということで、店員のみんなとお店づくりに取り組んで。ありがたいことにだんだん売り上げもよくなって、水信玄餅のおかげで金精軒自体がブレイクしたこともあって、去年(2018年)の10月には韮崎店の店舗も新しくできました。

最初は無断で始めたTwitter

——そんななかで、2016年からTwitterも始めていますよね。Twitterは段階的ではあるんですが、2009年ごろから日本でも本格的にブームが訪れ始め、企業による利用が活発になったのは2011年前後。2016年というとスタートとしてはかなり遅いタイミングです。ここで始めようと思ったきっかけは何だったんですか?

前々からやりたいとは思っていたんです。だけど、当時はTwitterをやっている方とうちのお店のお客さんというのがまだ噛み合っていなかった。

——確かに最初のブームのころは若い人たちが中心でしたよね。

はい。それがだんだんお子さんのいる方たち、お孫さんのいる方たちまで広がってきた。「今ならうちのお客さんたちに言葉が届くぞ」と確信したのが、「孫にお年玉を用意しなきゃ」みたいなツイートを見たときです。それが2016年でした。ニュースでも頻繁に「Twitterで話題の」なんて記事が取り上げられるようになって、Twitterが市民権を得たと実感できたんです。

——社内にはどんな話をして始めたんですか?

まずは無断で始めました(笑)。社内のいわゆる管理者層で、SNSを使った情報発信というのを理解している人がいなかったんです。そういう状態で話をすると、「じゃあ新商品を紹介しよう」「まず誰それに許可をもらって、写真は誰それに許可を取って」となるじゃないですか。で、がんじがらめになって、結局スパムと変わらないような宣伝ツイートが定期的に流れるだけになってしまうのが目に見えていた。だったら勝手に始めちゃおう、と(笑)。

——大胆(笑)。でも、本当にそういうパターンはありがちですよね。

そうやって始めて3か月くらいのときに、初めてバズというか、あるツイートがすごくRTされて話題になったんです。うちは社長がかわいがってるゼニって犬がいるんですが、そのゼニと社員が畑仕事をしている写真がガツンと伸びて。フォロワーさんも一気に数十人から5,000人くらいに増えました。それで社内にも話したんです。「実はこんなことを……」って。

——反応はどうだったんですか?

これもラッキーでした。「何無断でやってるんだ!」って言われてもおかしくなかったんですけど、ゼニとみんなが畑仕事やってるってだけの写真でしょう? だから、「な〜んだ、そんなことやってたの〜?」って感じで(笑)。Twitterを停止させられることもなく、「そうか、こういう普段の仕事ぶりを発信するっていうのをやりたかったんだね」「こういうのホームページじゃできないもんね」っておおむね理解してもらえました。おかげで、その後も変にルールもできずに続いています。ただ、無断で始めたことはやはり申し訳なく思っていまして、この業務を受け入れてくれたみんなや、炎上を心配させてしまった方にはとても感謝しています。あとゼニにも!

「この木なんの木」を歌うのが金精軒のTwitter

——ただ、金精軒さんのTwitterってふしぎですよね。本当に商品やイベントの告知を全然やらない。やっぱり企業アカウントってそういうのを混ぜていくことが多いじゃないですか。

徹底的に商売っ気はなくしてやってますね。「とにかく読んで心地が良いと思ってもらえる」ということのみを考えています。僕が普段のみんなの仕事ぶりを取って、なるべく柔らかい言葉で伝えていくということだけが、ルールといえばルールです。

——そういう運用って、たとえばお手本にしたアカウントとかあるんですか?

いえ、ないです。というか、すでにある形だと面白くないから、そういうものは排除していきました。それで最初にイメージしたのは日記みたいなものです。すごく短いブログ、読み物みたいな形で、その日あったことを2日に1回くらいのペースでゆるやかにやっていこうと。

——でも、それってまさに“商売っ気”がない話ですよね。会社としては「せっかくたくさんフォロワーさんがいるんだから、ちょっとは宣伝しようよ」って話になってもおかしくないと思うんですが。

実際今でもいわれることはあります。「新商品が出ました。税込み1,000円です」みたいなこと書いてくれって。でも、僕がイメージしているのって日立さんの「この木なんの木」のテレビCMなんです。あの歌はみんな知ってるけど、直接日立さんの何かを宣伝しているわけじゃないでしょう? 下手すると歌だけ覚えていてどこのCMか覚えていないなんて人もいる。だけど、気がつくとあの歌が企業イメージを引っ張っていたりする。あの形が大好きなんですよ。金精軒のTwitterではそういうことをやりたいんです。普通の日記みたいなことをやって、気付いたらうちのことを好きになってくれるという。すごく遠回しなパンチみたいな感じですね(笑)。

Twitterではあまり出てきませんが、いろんな和菓子を販売しています。名物はやはり信玄餅。

——でも、本当にそういう感じです。僕も個人でTwitterをやっているんですが、それは趣味の関係が中心で、あんまり友だちや地元のこととは関係ない人をフォローしているんですね。そんなTL(タイムライン)にある日金精軒さんのツイートが流れてきてビックリしたんです。「あれ、これ金精軒さんじゃん」って。

嬉しいです(笑)。まさにそういうイメージなんです。最初は本当に遠回りすぎて、全然届いていなかったんですけどね。犬が好きな方たちが「どこの犬なのかはよく知らないけど、かわいい」って感じでフォローしてくれていたんですけど、そのうちに「あれ? これ、よく見たら知っているお店だぞ」って人が出てきてくれた。思いがけないところから当たって、「また行ってみようかな」と思ってもらえたらいいなと。だから、社内でもそういう話をするとわかってもらえます。「なるほど、『この木なんの木』の歌を歌ってるんだね。だからダイレクトに数字に反映されないのは仕方ないことなんだね」と。まあ、テレビCMみたいにものすごくお金がかかるわけでもないですしね。

自分たちがつまらないと思っている日常にネタがある

——売り上げという数字じゃなく、ファンを増やしている感じですね。

それと、やっていくなかで売り上げとは別の部分ですごくいい影響を感じるようになったんです。お客さんからの返信とか店頭で聞けるお客さんの声が温かいんですよ。ゼニの場合だと「ツイート見ました。ゼニちゃんかわいいですね!」なんて言ってくれるんです。それを見たらやっぱり悪い気はしないじゃないですか。みんな「ゼニ、かわいいもんね!」「よかったね〜、ゼニ!」って(笑)。僕らの普段の仕事なんかもいろんな方が褒めてくださる。そうすると嬉しいですからみんな「別に数字につながらなくてもいいじゃない」って思ってくれるんです。

——働く人たちのモチベーションにつながってるんですね。

はい。特にうちは和菓子屋さんだというのもラッキーだったと思います。お客さんがお店で「Twitter見たよ」って気軽に声をかけてくださる。さらに、これは予想してなかったことですが、営業や配達でも話しかけてもらえるんです。たとえば県内のお土産物屋さんにお菓子を配達に行くじゃないですか。そうすると普段は「ありがとねー! そこ置いといて」って感じなんですけど、あるとき行ったらレジのおばちゃんとかに「見たわよ! かわいい犬いるらしいじゃない!」ってお茶を出してくれたことがあったそうです。営業マンも、初めて行ったところなのにすごく褒めてくれて、好感度も高いからなぜかって聞いたら「Twitterを見てるんだ」と。営業さんが多い会社さんとか、お客さんとのコミュニケーションが多い会社の場合、Twitterの評判がよければよいほど皆さんから好意的に受け止めてもらえるんです。そういうことが積み重なったおかげで、今のスタイルをやめようという話になったことはありません。

——でも、「日記みたいに」といってもこれだけ続けるのって大変じゃないですか? 始めたはいいけどしばらくするとネタがなくなって放置状態になってしまうというアカウントも多いです。

そこはめちゃくちゃ簡単なんです。自分がつまらないと思っている日常の行動ほど、実は他人が見ると面白いんですよ。だから、なるべく自分の日常にあるものを選んでツイートしてます。

——日常……たとえば金精軒さんだと、ちょっと前に「会社の設備に名前をつけようと決まって冷蔵庫とかに名前をつけた」って話が話題になりましたよね。ああいうのも、自分たちからすると普通の話なんですか?

僕らにとっては日常のことですよね。これに関しては「人名じゃなくて、『A-1』とか『B-1』みたいなものでいいじゃん」って反応があったんです。それを聞いて「これはツイートだ!」と思ったんです。つまり、自分がつまらないと思っているような普段の日常で、しかも賛否両論というか、ツッコミがある話は話題になりやすいんです。この間の伝票のネタもそうですよね。

——昭和のころに伝票を50冊のつもりで5,000冊注文してしまって、それを今も使っているという話ですね。あれは面白かったです。

あれも僕たちにとっては日常のことじゃないですか。で、あるとき社内で「そろそろ令和になるのに昭和を消して伝票つくるの、もうやだよ〜」と話になって……というか言ったのは僕なんですけど(笑)。パソコンでも処理できないし、いい加減変えてよ、と。でも「何言ってるの! 平成をやっと乗り切ったんじゃない! まだもうちょっとあるんだから、逆に全部使い切らなかったらもったいないじゃん!」って言われて、「だけどさぁ〜」なんて話をしてるときに「あ、これツイートしよう」って思ったんです。

お客さんの見たいものは自分たちが見せたくないものの中にもある

——実はあの伝票のツイートを見て今回のインタビューをやりたいと思ったんです。面白いのはもちろんですけど、令和になるタイミングで狙い澄ましたみたいに出してきたじゃないですか。これはしっかりネタのストックとかしてるんじゃないかって。

一応元号が変わるということで何かないかっていうのは半年くらい前から探してはいました。といっても、別にそのために時間を割いて探し回ってたってわけじゃなくて、何かないかなってアンテナを張っていたという感じですね。それでちょうど見つかったという感じです。

——そういうものを書きとめるネタ帳みたいなものをつくっていたりは?

ネタ帳とかはありません。しいていえばスマホのカメラロールですかね。これはネタになるかなってものを撮ってあるので。ただ、そうやってストックしたものが好評だったことってないんですよね(笑)。結局反応がいいのはその場の直感でツイートしたものばかりです。

Twitterの投稿は写真も含めてこのスマホで行っているそうです。

——アンテナを張ってるって重要ですよね。意識しながら仕事をしてるだけでもいろいろ見つかります。とはいえ、こんなにバズるネタはなかなか見つからないと思います。

同じようなことを聞かれることはあります。恥ずかしながらSNSのことで講演を頼まれたことがありまして、そこで温泉旅館の方に聞かれたんです。僕がその旅館のTwitterをやっていたらどんなことをつぶやきますか、と。それで「たとえば天気がいい日にみんなで汗かきながらタワシで露天風呂を掃除しているところを写真に撮ってアップします」と答えたんですね。素敵じゃないですか、みんなで「よーし、ピカピカの温泉に入ってもらうぞー!」って掃除しているところって。でも、「そんなことはできない」って言うんですね。「そんなみっともないところ見せられない。汚いと思われてしまう」と。そんなことないでしょって思うんです。掃除なんて当然するじゃないですか。じゃあ宴会の準備をしてる厨房はどうかっていうと、それも「厨房なんてお見せできない」と言う。みんな勝手にダメだって思ってしまっているんですよね。お客さんにとっては魅力的で、見たいと思ってるだろうことまで。

Twitterを通して自分たちのいいところを再発見できる

——自分たちのことだからこそ見えていないってものはありますよね。

自分たちの普通にとらわれている場合もあります。たとえば、北海道のお菓子屋さんと話したことがあるんです。そこでは毎朝新鮮ないちごを買ってくるっていうんですね。北海道ってすごいんですね、どこまで行くのかっていったら、お店から2時間離れた市場に朝一で買いに行くっていうんです。往復4時間ですよ(笑)。しかも、それを社長がやってるんです。「従業員にそんなことはさせられない」って。でも、おいしいいちごは食べてもらいたいから行く。だから「何やってるんですか! それつぶやいてくださいよ!」って言ったんです。そしたら、「でも、北海道では普通ですよ」って(笑)。北海道では普通でも、それ以外のところから全然普通じゃないですよね。確かに自分の家族とか知り合いに話したら普通なんでしょうけど、東京の人が聞いたら「すごい!」って思うじゃないですか。結局その話を書いたら話題になったって喜んでいました。

——東京とか遠くの人たちが読むんだってことを意外と忘れちゃうんですよね。自分の知り合いが読むみたいなイメージで書いてしまう。

そうなんですよね。お客さんに向けて書いてるつもりが、結局自分に向けて書いてしまっている。僕も若いころはそうだったんです。それがゲーム業界での経験で徹底的に直されました。毎日お客さんのことをずっと考えていたわけですから。そこでの経験が今Twitterにも活かされているのかなと思っています。

——Twitterは発信ツールではあるけれど、ネタを探したり、お客さんの視点で考えることで自分たちの仕事、日々の業務を再発見するきっかけにもなるわけですね。

そうです。ポジティブな目でもう一度自分たちの長所を探してもらえるといいと思います。金精軒でも社内の人たちがTwitterのネタを探してきてくれるようになりました。それと、会社の中でみんなの心をよくするようなことをしている人のことを評価するきっかけにもなる。たとえば、毎日従業員が使うトイレに花を飾ってくださるおばちゃんがいるんですけど、そういうのってお客さんには見えないし、お金にもならないじゃないですか。そのためにやっているわけでもないですし。冷蔵庫に名前をつけることもそうですよね。でも、ツイートすることでいろんな人に素敵だって思ってもらえたりする。そうすると「そういえばあれって誰がやってるんだっけ?」「あの人だ!」ってことを社内でも認知することになる。その人の評価にもつながるんですよね。まさにいいとこ探しなんです。

——お客さんだけじゃなく、社内をちょっと変えるためのツールにもなっているんですね。本当に面白かったです。ありがとうございました!

前の投稿
「大手ビールでたとえればこんな味」とい…
戻る
次の投稿
ビールを飲みながら観られる一流……清里The…

ROCK MAGAZINE ROCK MAGAZINE