「いっしょに働くスタッフが楽しく働けるようにするのが自分の役割」
——「ROCK Re:birthday」Tシャツも担当!
ホールスタッフ・小平壮野

いろんなスタッフが働く萌木の村 ROCK。今年の春も新たな社員スタッフを迎え、フレッシュな顔ぶれが加わっています。

そんなひとりが現在20歳のホールスタッフ・小平壮野。昨年秋にアルバイトスタッフとしてROCKにやってきて、この春から社員として働いています。

「接客が好き」というだけでなく、古着や音楽好きでもある彼は、今週末の「ROCK Re:birthday」のTシャツ制作も担当しています。そんな若きホールスタッフに、ROCKってどんなところか、これからどんなことをやりたいか、聞いてみました!

ROCKの「人」に惚れて社員に

——壮野さんは今年の春から社員になったんですよね。

はい。バイトとしては去年の10月からやっていて、この春から社員になりました。

——今おいくつなんですか?

20歳です。ここに来る前は甲府の飲食店でバイトをしていました。3年くらい続けていたんですが、別のところで働こうと思って違うお店を探しているときに、翔さん(この春海外へ旅だった元ホールチーフ・武藤翔)に出会ったんです。そして、バイトに誘ってもらったんです。

小平壮野。

——ROCKというお店自体は知っていたんですか?

はい。僕は北杜市の大泉が実家なんですけど、幼稚園から中学まで清里周辺の学校に通っていたので、このあたりは地元という感じです。すごく頻繁に来ていたわけじゃないですけど、やっぱり清里にとって大きなお店だし、ちょくちょく家族で食べに来ていました。

——じゃあ、お店としてのイメージはもうあったわけですね。

友だちに地元が清里だって話すと、「ROCKのあるところか」って言われたりすることもあったくらい、やっぱり大きな存在でしたから。でも、実は働いてみるまでは「大きなレストラン」くらいに思ってたんです。働き始めると「こんなにすごいことをやってたんだ」って思うようになりました。たとえば、料理にしても食材ひとつひとつにこだわってる。地元の野菜を使おうとか、これだけの規模なのに本当に細かいところまでちゃんと選んでるんです。

——規模の大きなレストランになると、どうしてもコストや仕入の量を安定させるために大手の流通ルートに頼ることが多くなりますよね。

そう思います。コストを抑えることとかが重要になってくる。もちろんROCKでもコストは考えているわけですけど、それ以前にいいもの、おいしいものを使おうってところにこだわってるんです。こんな田舎のお店なのに……というか、田舎のお店だからこそできるのかもしれないですけど、実際にちょっとキッチンのやっていることを見るだけですごいことをやってるお店だなって思いました。

——じゃあ、そういう部分に感銘を受けて社員になろうと思ったんですか?

いえ、お店としてのすごさというのももちろんあるんですけど、一番の決め手は人ですね。実は母が清里の駅前で働いているんですけど、その母に「ROCKには若くてすごい人がいるからあそこで働くといいよ」ってずっと言われていたんです。ずっと気に留めてなかったんですけど、働き始めたら本当に面白い先輩がいるんです。翔さんもそうですけど、お店だけじゃなくて、清里を盛り上げようってことを考えてるじゃないですか。お客さんにも「なんでここで働こうと思ったの?」って聞かれたことがあるんですけど、「清里をよくしていこう」って考えてる先輩がいて、その人たちの手伝いをしたい、役に立ちたいっていうのが理由なんです。そういう「人」との出会いがなかったら、たぶんここで働いていなかったと思います。

——20歳だともう生まれたときにはとっくに清里のブームは去っていて、ちょっと元気がなくなっていましたよね。

そうですね。盛り上がっていたころのことは知らないです。僕にとっては「自然がきれいな場所」くらいのイメージしかなかった。でも、改めて働くようになると通勤するだけで感動するんです。景色がすごくきれいで、「こんな通勤ある!?」っていつも思います。先輩の役に立ちたいっていうのが最初のきっかけで、まずはROCKや萌木の村を盛り上げていきたいと思ってますが、ゆくゆくは清里を盛り上げていくことも考えたいですね。

働いている人も元気にするのが自分の最初の役割

——今はホールを担当してるんですよね。接客をしていてROCKというお店の特徴みたいなものを感じたりはしますか?

とにかく楽しいですね。前から接客は好きだったんですけど、ROCKで接客した方がもっと楽しいです。それはお客さんが優しかったり、フレンドリーだったりということもあるのかもしれないですけど、お店自体の姿勢も楽しいなと思うんです。「ホスピタリティ」という言葉がよく出るんですが、とにかく「お客さんのために」って気持ちが強い。たとえば「自分が感謝したいな、お礼を言いたいな」って思ったときに「じゃあコーヒーサービスしたら」とか言われたりするんです。

——ROCKってそういうことができる、やっていいよって言われるお店ですよね。ルールやマニュアルで決まってるわけじゃなくて、「やってあげたい」「いいんじゃない」という感じでやっている。大きなお店なのに個人店みたいな距離感や対応があると思います。

そうなんですよね。レストランにおけるホールの役割ってたとえば「顧客満足度」みたいな話があるわけですけど、ROCKの場合「ファンを増やすこと」が役割だって掲げられてるんです。お客さんを増やす、満足させるだけじゃなくて、ファンを増やすのをめざしている。それってすごいなと思ってます。ROCKというお店にも合っている。

——お客さんもすごく楽しんでくれる人が多いなと思ってます。

バイトとして入ってすぐのころにハロウィンパーティがあったんですけど、お客さんの気合いがすごいんですよね。コスプレをして来てくださるんですけど、生半可な気持ちじゃない、ガチのコスプレで挑んできてくれる。びっくりしました。

——その分、スタッフとしては忙しかったり大変だったりもするんじゃないですか?

ROCKの場合、冬は比較的お客さんが少ない分、夏にかけてすごくたくさんの方が来てくれるんです。ゴールデンウィークはその始まりで、今年も忙しかったですが、僕は大変でも合ったけど「楽しかった」という気持ちで終わることができました。自分の強み、できるかもしれない役割というのを発見することができたんです。この連休は翔さんがいなくなって、ホールとしてはその穴を埋めなきゃいけない、さらにその上をめざさなきゃいけないという使命があったんですね。僕もホールスタッフとして引っ張っていかないといけなかったわけですが、じゃあ自分は何ができるだろうって考えていたんです。

——入ってすぐのころって何ができるのか、自分でもなかなかわからないですもんね。

今年同期で入った社員の人もいて、いっしょに働いたんですが、その人たちは僕とは全然経験値が違う。人生経験が豊富なんです。自分はついていくだけで精一杯。でも、そのなかでも何かないのかと考えていったら、やっぱり「人と話すのが好き」「従業員が好き」っていうところに行き着いた。だから、「いっしょに働いているスタッフが楽しく働けたらいいな」と思って、まずスタッフに話しかけたり、フレンドリーに接することを心がけるようになったんです。働いている人を元気にしようっていうのは以前働いていたお店でも考えていたことなんですけど、翔さんにも「壮野はそういうことができる」って言ってもらったことがあって、ROCKでもそういう役割ができるんだって自身になりました。

——飲食店に限らず、忙しいときってスタッフもピリピリしてきたりしがちですもんね。

そうですね。だから、そうならないようにって考えて。ROCKってもともとみんな明るく働いているから、ピリピリしないで過ごせました。お客さんからもそういう雰囲気を褒めてもらったりして、すごく嬉しかったです。それと、昔働いていたスタッフの人にも褒めてもらったんです。ゴールデンウィークにお手伝いに来てくれた人なんですけど、「今のROCKは昔より雰囲気がいい」「社員さんたちがすごくいい空気をつくってくれている」って。それもめちゃくちゃ嬉しかったです。

「ROCK Re:birthday」Tシャツはまさに「ライブTシャツ」

——ホールでの仕事というのももちろんありますけど、ほかにもいろいろなことをやってますよね。

はい。最近は「新人教育というのをやってみる?」って言われて、新しいバイトスタッフさんの指導をやっています。実は今年初めてお店のマニュアルをつくったんです。

——見せてもらいました。けっこう厚いですよね。

はい。これも翔さんたちがつくりはじめたもので、僕と(フロアスタッフの伊藤)魁くんも加わって完成させました。マニュアルではあるのでひとりで読んでもいいんですけど、先輩といっしょに読んだ方がわかりやすいということで、これを使って指導する形にしています。

この春完成したマニュアル「ROCK BOOK」。言葉遣いからお店や商品の知識などいろんな情報がまとめられています。

——いわゆる「マニュアル」ではあるんですけど、お店やメニューについての基本的な知識なんかもあって、ガイドという感じの内容ですよね。

はい。僕もこれをつくるなかで知ったり、整理されたこともありました。ビールの種類や特徴、つくり方なんかも今まではあまりちゃんと知らなかったことも多くて……。

——20歳ですもんね。そもそもお酒を飲めるようになったばっかり。飲む人でも「ラガー」って何?って聞かれてパッと答えられる人は少ないでしょうし。

ビールについてって、お客さんにも聞かれることが多いんです。今回整理されてすごく勉強になりました。

——そして、いよいよ今週末に開催される「ROCK Re:birthday」でもTシャツづくりの担当をしているとか。

そうなんです。スタッフTシャツで、当日販売も行うものなんですけど、今(インタビュー時)まさにデザインを詰めているところです。

——なかなかの大役ですね(笑)。

僕、もともと洋服が好きなんです。音楽がものすごく好きで、昔から海外のバンドのライブ映像とか見ていたんですけど、かっこいいTシャツとか着てるんですよね。調べていくと古着で見つかったりするんです。それでだんだん古着が好きになっていった。だから、今回のRe:birthdayでもTシャツをつくるって聞いて興味があったんです。今年はテーマが「69LIVE」だったりもするし、まさにライブTシャツだなって思っていたので。で、「今年もTシャツつくるんですか?」って聞いたら「つくるよ。やってみる?」って言われて(笑)。でも、やってみると難しくて悩みますね。

——ROCKってレストランだけど、実はけっこう服とかグッズとかいろいろデザインする企画がありますよね。

はい。この間も八ヶ岳ベーカーズのグッズづくりを手伝わせてもらったんですけど、やっぱり面白かったです。今はデザイナーさんといっしょにやっていますけど、自分でもソフトを使ったりしながらもっと勉強したいなと思ってます。

——古着もここでイベントやったりできそうじゃないですか。

やりたいですね! 古着が好きで、仲良くしてくれている古着屋さんもあるので、ここで古着のマーケットイベントとかできたらいいなと思います。っていうと「やっちゃいなよ」って言われそうですが(笑)。あと、音楽も何かやれたら。たとえば、店内のBGMとか選んだりしてみたいですね。ゆくゆくは海外アーティストとか呼べたら最高です。親が洋楽しか聴かないってタイプだったので、僕も洋楽が好きなんです。

——どんなアーティストが好きなんですか?

Green Dayとか「THEアメリカンポップパンク」みたいなバンドなんかが好きですね。ROCKの店内でもアメリカンポップとか流せたらいいなと思ってます。

——興味のあること、好きなことを仕事につなげられるのが面白いですよね。まずはRe:birthdayのTシャツからですね。

「690枚売れ!」とプレッシャーをかけられているので、ぜひ手に取ってもらいたいです! 楽しみにしてもらえたら!

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